ようこそいらっしゃいませ。趣味でYoutubeをやっており、世界名作劇場やミニ四駆、ガンダムなどのアニメ作品などと幅広いものを取り扱っているつもりになっている投稿者です。ここでは主にYoutubeの宣伝と投稿者の趣味全開の雑記、駄文を展開していきます。どうぞ、お手柔らかに!

【ロミオの青い空】ミラノの天使!アンジェレッタ・モントバーニ【川村万梨阿】

以前、同じく「ロミオの青い空」のアルフレドの記事を書かせていただいた。

コチラの記事は私のこの未熟なブログの中では断トツの閲覧数を誇っている。やっぱりアルフレドはすごいなぁという気持ちと同時に、「ゲゲ!こっちの記事、アルフレドより新しいのに負けてる!」といったいっぱしの悔しさみたいなのも持ち合わせていたりする(笑)

まさかそれほど沢山の方に読んでいただけるとは…本当に何も考えずに書いた記事だったので、ビックリしています。

さて、そもそもアルフレドの記事を書いたのは私がとある動画を出したからだ。

上記の記事にも載っているアルフレドの台詞集動画である。

この動画は私が世界名作劇場というシリーズに対して、そしてお世話になっている友人と思っている方々への恩返しの為に制作したものだ。同時に少しでも多くの方に世界名作劇場を知ってもらいたいと考えて手掛けてみた。

ロミオの青い空ならシリーズの中でも触れやすいと思い、上記のお世話になっている方々への恩返しという部分も含めてアルフレドを選んだわけだが、第2弾は当初からアンジェレッタでいこうと決めていた。

第2弾は以前記事でも紹介したわーどまんさんことウィズの輔さんに対して…という形なのである。ゆえに、彼が愛してやまないアンジェレッタを選択した。

しかし、あらためて見直してみると…うーむ、すごく愛らしいキャラクターである。天使、姫、聖母などといった言葉がすごく似合う子で、わーどまんさん自身も御自身のブログにて「最初はそれほど好きというわけでもない状態で視聴した」というように書いていたと思う。つまりは一目惚れで好きになる視聴者も当然いるものの、作品と再会した際にじっくりと視聴し直す事で胸に暖かく残る「光」のようなキャラクターでもあるのだ。

なのでなんというか、私が彼女の事を書いてもファン度では彼にかなうわけがないので今回こそは中身のない文章の数々になっていきそうではあるのだが…これもまた挑戦!アルフレドの時のように書いていこうと思います!

アンジェレッタの台詞集動画!

早速だが、コチラが今回制作したアンジェレッタの台詞集動画である。

皆様からの基本的なご意見は可愛い!というより艶があって、落ち着いた雰囲気といった感想が多い。それも狙ってのキャスティングだったのかもしれない。

アルフレドと比較するとアンジェレッタの方が台詞が少なく、制作はしやすかった方だった。アルフレドが登場するのは4話からだが、意外に出番がない回もありはした。しかしアンジェレッタは本格的な登場は9話からであり、台詞もそこから(とはいえ、9話の台詞はドアをノックされた際の返事の「どうぞ」だけなので実質台詞は10話からだったりするが)。そして何より、23話以降は出てこなくなってしまう。おかげで編集する側としては少し楽をさせてくれるありがたさにアンジェレッタの優しさのようなものを感じてしまうわけだが、ファンの方からすると「もうちょっと出番増やしてくれよ~!」となってしまうだろう。

ぶっちゃけ、ヒロインとしての輝きを見せていたのは作中登場するロミオと親密な3人の少女キャラのうちアンジェレッタで間違いないと思われる。確かに最終的に結ばれたのはビアンカだが、ロミオが初対面の時から顔を赤らめたうえ(原作での出会いはこんなロマンチックなものではなかったりするのだが)に事実上の両想いの告白にまで発展したのはアンジェレッタだけである。

3人というのはコチラ

あなたのタイプはどの子?

アニタは幼馴染でずっと一緒だったんだから初対面も何もないじゃん、不公平だ!と思われるかもしれないが、3人の中で一番積極的だったのは間違いなくアニタだ。にもかかわらず、ロミオがアニタに対して「愛」まで至ったものを向けるシーンはなかった。もしアニタが好きで好きでたまらないのならピッコロがキスを邪魔した際にはピッコロを押しのけてでもキスに応えるだろうし(暴論)、村を出発する際も何らかのアクションを起こすはず。ましてや、ロミオがお金泥棒の罪を着せられて逃亡せざるを得なくなった際にはロミオはアンジェレッタにもう会えなくなることを深く悲しみ、それも要因の1つとして逃亡を躊躇していたほどで、どうしてもアニタにはそこまでの感情を向けているようには見えなかった(ちなみにこの時ばかりはアルフレドに会えなくなってしまう事を悲しんでいる様子はなかった。ただ、「アルフレド、君ならどうする?」と回想する場面はあり、決して忘れていたわけではないのだが、ロミオ的にはこの時ミラノに留まりたい要因として大きく心を占めていたのはアンジェレッタというわけだ)。

しかも、10話にてアンジェレッタがニュータイプ的能力でロミオの村の様子と暮らしをイメージした際、はっきりとアニタの事を「お友達」と言っていたりする。尤も、アンジェレッタのような純粋な子がこの年頃の男女に対して「恋人」とは言わないであろうが…

しかしアンジェレッタは一目惚れであるかどうかは不明だがロミオがロッシ家に来た当初から密かにロミオに注目していた。それは密かにロミオの絵を1枚だけでなく沢山描いていた事からもわかる。身体が弱く、部屋から出ることも出来ず、かつての友人で兄アンゼルモは年々堕落していき(ちなみにアンジェレッタは相当詳しくアンゼルモの狼団への自称ロシア貴族虚言や悪口について把握していたが、おかみには内緒にしていたわけだしアンゼルモがわざわざアンジェレッタに聞かせに来ていたのだろうか?)、友達は本ばかり…そんな大した娯楽もない中、他の村からはるばるやってきたロミオに興味がわいたのは自然な事であるが、絵まで描いたというのは相当な惚れこみだと言わざるを得ない。

そもそもアンゼルモが手伝う気0である事と作中での会話や売買時の様子等からロッシ親方はロミオが来るまでに他に煙突掃除夫の少年を買っていた可能性が非常に高く(最終回にてアンゼルモがまた次の煙突掃除夫少年が来ることを前提でおかみに話しかけている)、アンジェレッタからすればロミオが初の下宿者でない可能性もあるのだが、特にアンジェレッタが新参者の絵を描く癖があるような事がロッシ一家から言及されていない以上それまでにはノーケースだった事なのではないだろうか。

これらからやや突飛な分析ではあるが、やはりアンジェレッタは最初からロミオに想いを寄せていた…というより、「王子様」的な目を向けていたのだろうと思う。物語の世界と親友だっただけあり、そういった発想自体は持ち合わせていたのだろう。どちらかといえばおとなしく、密かに力を貸すタイプの性格のアンジェレッタゆえにロミオとのファーストコンタクトはロミオに自分の食事を密かに分けるところから始まった。そこから僅かばかりではあるが手紙のやり取りをし、そこでアンジェレッタ側から「部屋に会いに来てほしい」という旨の内容がきたというのが大まかな出会いへの流れである。

しかし現実でも起こりうる話であるが手紙などのやり取りをしている男女のうち女性の方から会いたがるというのはかなりの脈あり展開だ。このケースの場合、ロミオ視点からだと相手の容姿はわからないうえ勝手に檻から出てアンジェレッタの部屋へ赴くという非常にリスキーな行動(この時点ではアンゼルモやおかみは勿論、ロッシ親方に見つかった場合すらかなり怒られる事になると思う)をとらなければならない以上、人によっては断念する可能性があるケースと言えるが、アンジェレッタはロミオの真っ直ぐな人となりを見抜いてコンタクトを図ったのではないかと思う。

そして晴れて出会ったロミオとアンジェレッタであるが、当初はロミオは字を覚えるべくアンジェレッタを頼り、アンジェレッタもまた陰からロミオを手助けするような間柄であった。しかしロミオがロッシ家での苦難の乗り越え、アルフレドとの再会を果たし、狼団との戦いで逞しくなっていくとようやくロミオを助けるのではなく彼に助けられる側へと回っていく。

19話「おばあちゃんは魔法使い」ではロミオにお願い…というより協力して夫婦喧嘩を仲裁する場面があり、続く20話「テオじいさんの人形劇」ではアンジェレッタがロミオにお願いをするシーンが要といえる。それまで食事分配、濡れ衣晴らし、御守りをロミオに渡す…といったサポート行動が目立っていたところから一気にヒーローに守られるヒロインへと移っていく。

そして21話から23話はアンジェレッタ編と言っても差し支えない展開になっていく。アンジェレッタが実は貴族の娘であり、両親は反対を押し切って家を出てまで結婚したものの共に亡くなってしまい、祖母にあたる伯爵夫人はそんな流れで産まれたアンジェレッタを拒んでロッシ親方に預けて養育費だけ提供しているという状況の中生きている事。そして初期から心臓が弱いと言われてはいたが、徐々に悪くなる一方でアンジェレッタ自身は未来がない事を認識しているという事。それを知り、アンジェレッタの大切さを痛感したロミオはどうにかしてイザベラ伯爵夫人とアンジェレッタを会わせようと奔走する。

弱っていき、動画的にも咳き込みや弱音等が目立っていくアンジェレッタを守りつつ、命までかけた行動を見せるロミオはこのアンジェレッタ編ではまさに主人公、ヒーローの立ち位置である(その後のマルティーニ兄妹編ではロミオとアルフレドのダブル主人公といった流れだった)。

結果、ロミオはアンジェレッタの最後の願いを叶える事に成功するのだが…ミラノにいては弱る一方だというカセラ教授の診断を元にイザベラ夫人はアンジェレッタをパリの病院に移す事を決意。ロミオとアンジェレッタは別れることになるのだ。

そしてアンジェレッタは退場した23話以降、出てくることはなかった。イザベラ夫人の方はアルフレドとビアンカが中心であるマルティーニ兄妹編では再登場し、かなり重要な役割を果たす(そもそもアンジェレッタ編での登場が再登場した際の活躍の伏線だったといえる)のだがそこにアンジェレッタの姿はない。当然、体が弱っているアンジェレッタを連れまわすわけにもいかないので仕方がないのだが、メタ的な事を言えばスタッフの中では既にアンジェレッタの出番は終わったという事なのだろう。特に、マルティーニ兄妹編でのアルフレドの死という結末は間違いなく最初から決まっていた事で、原作とは違って物語の中心の一端として入ってくるビアンカとロミオのその後を考えるとビアンカ以上にヒロインをしていたアンジェレッタを下手に出すわけにはいかなかったのだと思われる。

やはり、アンジェレッタが出てきてはそのヒロイン力であくまでもマルティーニ兄妹に注目を集めたい中アンジェレッタの方に視聴者やロミオたちの目が向かっては台無しになってしまう。それに加え、原作と違ってロミオとビアンカが将来夫婦となる流れときっかけはここで得るしかなく、アンジェレッタを出してしまってはそこに溝が出来てしまうからではないかと思うのだ。何せ、原作においてはそもそもロミオ(というかジョルジョ)は半年契約を守らずにミラノから脱出し、アニメ版においてはある意味助かった死神ルイニの逮捕劇などを経て、ミラノに来ることはなく別の町にて兄を待っていたビアンカと一緒にカセラ教授の家に住む…そこから9年同居したから自然に二人は結婚…という流れなのだ(ちなみにアルフレドだが…原作では結構あっさり死んでしまう。当然、勲章云々の話もない)。実を言うと、ロミオとビアンカの結婚については原作版の方が自然な流れだったりする。アニメ版では少年のうちに村に帰り、大人になったらビアンカと結婚していた…という流れなので、どうしても「アニタは?村の他の女の子は?近くにいた子達よりも遠くのビアンカを選んだの?」といったツッコミや「アンジェレッタはどうなったの?それから会えなかったの?」といったツッコミが入ってしまうからだ。

そういったツッコミをアニメ版展開を踏まえて「ロミオはビアンカと一緒に命がけで濡れ衣を晴らし、それぞれ親友と兄の死を乗り越えて絆MAXになったから他の子では追いつけない!」と強引に押し返すことはできなくもない。だが、もしその肝となるマルティーニ兄妹編でアンジェレッタが出てきてしまったら、「あの時アンジェレッタ出てきたじゃん!あの時二人は再会を喜び合ったり話し込んだりしなかったの?」というツッコミ返しが出てきてしまう。それほどまでにアンジェレッタはヒロインをしていたのである。

勿論、アンジェレッタの名前が全く出なかったわけではなくイザベラ夫人が作中、その後のアンジェレッタに対して「パリで静養しています」とコメントを残してはいるが、これに関しては言ってしまえば視聴者を納得させるための方便ととれなくもないのだ。アンジェレッタという存在は当然忘れていないけど、出ません!という事である。

それこそ、わーどまん氏も書いていたがせっかくアルフレドがビアンカに「おまえは絶対にロミオを好きになる」とまで言い切ったのに、アンジェレッタが再登場して何やら妙に親しい下手したら兄とロミオの親しさと同等の様子を見せられたら「何よ、ロミオって他にあんな仲良しの子がいるんじゃない」と冷めていた可能性もあるわけだし…

そんなアンジェレッタのヒロイン力と神秘的なイメージを、動画の音声集から感じていただけたのならばとても幸いである。

 

アンジェレッタのその後と、天使の残照

いきなりこんな事を描くのもアレだが、ロミオの青い空の監督を務めた故・楠葉宏三監督はロミオとアルフレドの関係について「あれはホモです」とはっきりと言い切っている。

しかし、楠葉監督があまりアンジェレッタについてはっきりと語った事はあまりないようだ。作り手の断言というのは例え衝撃的であってもビッシリときてしまうもので、どんな優れた二次創作の作家でも元の作り手の一言にはかなわないものなのである。逆に、そうなるとアンジェレッタのその後については二次創作でいいんじゃない?と思うわけだが、残念ながら(?)監督ではなく脚本家の島田氏がアンジェレッタについては色々と設定やコメントを残していたりする。

本編においてはカットされているが、ロミオの青い空の脚本集によれば最終回では本来、亡くなったアンジェレッタの写真をイザベラが眺めるという描写が書かれていたりもする。島田氏は「アンジェレッタはパリで静養を続けるも、18歳で亡くなってしまう」というコメントも残しており、最終回におけるロミオの年齢ははっきりとしてはいないがその頃には既に…それなりに昔に亡くなってしまっているという事だろう。同時に、島田氏は「ロミオは大人になるまでにアルフレドやアンジェレッタの死というものを乗り越えて、苦しむ事も当然ありながらも大人になっていく。苦難のなかでも人生を生きることを描いたこの作品で、そこはしっかりと描かなければならないこと」という気持ちと信念も持っていらっしゃったということ。

ロミオに暖かい光を与えた人々の存在を非常に重要視し、その残光の重さと乗り越えた後の残された者の人生という部分を深く考えていたということ…

そんな島田氏も2017年に58歳という若さで亡くなってしまい、今後は直接的にお話を聞いたりする事は出来なくなってしまった…皮肉にも、ご本人に対しても「死」という事への重さを感じる結果となった。この場を借りて、ご冥福をお祈り申し上げます。

原作版においては、実は直接的にアンジェレッタの死は描かれていない。息を引き取ったであろうことは予想できるし、アンジェレッタもその事は十分把握し理解していたからこそロミオを叱咤激励する気持ちでミラノから送り出した。原作版、ロミ空版で共通するのはアンジェレッタという子が自分の運命、未来に対して一種の諦め…少し冷めた面を持っているという事だろう。言ってしまえば、ロミオ(ジョルジョ)という存在に会ってもその根本が覆る事はなかった。どうしても生きたい!という面は相当なりを潜めていたと思う。

ロミ空版ではアンジェレッタに血縁上のイザコザがある背景が追加され、ロミオとの関係がロマンチックになるように設定と描写がふくらまされた。で、あるが、ロミオとのロマンチックな描写は数々あったものの、結果的にそれはロミオとの別れのための演出だった。前述のように原作においては直接死が描かれていないのだが、当然ロミ空版においてもそうである。だが、その後のアルフレドに焦点を置いた展開に移っていくために明るく、希望あるお別れの仕方をしなくてはいけない。貴族の血縁者がいて、ちゃんとした環境に移って療養するという理由も原作とは違ってまさに闇から光というほど差がある描写であり、それゆえにその後のアンジェレッタおよびロミオとの未来に関して希望をもった視聴者やファンが少なからずいた事は想像に難くないのである。

パリに行ってしまってはロミオとの進展も何もないじゃないか!と思われるかもしれないが(当時はスマホや携帯電話なんてもってのほか、手紙のやり取りすら難しく、別々の住処に別れてしまえばそれっきりになる可能性が高い)お金持ちの立場になったうえに「そうか!こういう場合の為にふたりは一緒に字の勉強や手紙のやり取りをしていたんだ!」と希望を持てなくない描写が多かった事も要因のひとつだろうか。

しかし、少なくとも島田氏の中ではアンジェレッタという少女はやがて本当に天使になるのだ。一足先にアルフレドのところへ旅立つのである。そこは島田氏がどうしても曲げたくなかった部分なのだ。

しかし、それは同時に間違いなく後のロミオに影響を与えるであろうことは間違いないという確信があったからであろう。先述のように別れてそれっきりになりやすい時代、ソノーニョ村に帰る展開になったロミオからすればそれこそアンジェレッタの死自体を感知できない可能性が高い。そんな知らせすらも知らずに生きていく可能性だってあるのである。だがロミオがアルフレドの時と同様、アンジェレッタの死をも苦しみつつ乗り越えるというのであれば、ロミオがまだミラノにいた時に丁寧に積み重ねたアンジェレッタとの思い出やそもそもアンジェレッタの訃報を知ることになるという事自体がその存在の大きさと影響がいかに重要であるかを示す証拠でもあるのである。

原作において、ロミオ(ジョルジョ)が逃亡を決意する理由もまた、アンジェレッタだ。死の描写こそないがアンジェレッタは自分が死ぬ事を理解しており、どうせ死ぬならせめてロミオが無事でいて欲しいと考える。だからこそロミオはわずかの未練もなくミラノから逃げた。そこまで変えたのだからアンジェレッタの結末自体変えたって問題ないんじゃないの?と思う方が居るのも当然ではあるが、前の項目に書いたように大人になったロミオの面構えと傍らにいるビアンカの存在を考えるとアンジェレッタの死と残光は物語自体の結末を納得させる影響力があるのは確かだ。ロミオ、そしてジョルジョが最終的にアンジェレッタの死という部分に未練を残さず人生を歩んでいくという部分を共通させるのだから…

私は、いくら島田氏がどんな意見を出していようと1995年時より島田氏の手から離れたアンジェレッタという素晴らしいヒロインのその後や未来をファンがどう考えても自由だし、素晴らしい事だと思う。数多くの二次創作を見て、むしろそれほど愛されているヒロインの力に感動すら覚える。ただ、私としては真剣にアンジェレッタの「重み」に向かい合おうとした島田氏の思いや気持ちには当然ながら拍手を送りたい。制作スタッフだから、ファンだから、といった垣根を越えて数多くの意見を見て、感じることが出来るからこそキャラクターを愛し、向かい合うという事は面白いのだ。中には島田氏の設定や意見を否定する者もいるが、問題はそこから受け取り手側がどう感じるか…何をどう発展させていくかではないかと私は思う。

そして今度は、ファンとして何かを作った側からまた別のファンが何かを受け取ったり感じたり…そういった絡み合う糸のようなものが現在もなお張り巡らされており、アンジェレッタという天使の残照が未だに人々を惹きつけているという事実が何よりも素晴らしく、愛らしい部分だなぁとたかが台詞集ではあるが作りながら考えてしまった。いや、考えさせられた。

言ってしまえば、原作と全く違った設定や展開を出している以上、暴論ではあるがアニメ版ロミ空もすごく巨大な二次創作のようなものである。スタッフも「黒い兄弟」という素晴らしい原作から多くの創意工夫とふくらましで人々を感動させた。

世界名作劇場に限らず、様々な作品で起こりうる良い傾向だ。こういった流れの起きる名作アニメや名物キャラクターが今後も誕生していく事を陰ながら願っている。

 

 

さて、せっかくなのでここにこれまで何度も名前を出してきたわーどんまん氏のブログを載せておこう。アンジェレッタおよび、ロミ空ファンは必見である!着の身気のまま (blog.jp)

ちなみに、ロミ空ファンのためにアンケートも制作したようだ!是非是非、答えてみていただきたい!ロミ空好きさんと黒い兄弟好きさんに30の質問第一弾!! : 着の身気のまま (blog.jp)

個人的にはコチラのブログも好きなので、コチラも載せておきたい!メイWiz! – ウィザードリィと世界名作劇場について好きなことを書き散らしていくブログです。 (puntapunchiku.com)

おまけで編集した画像を置いておきます

 

☆天使と貴公子

私は以前の記事にて、もしかしたらアンジェレッタとアルフレドのカップリングも良いのではないか?と書いた事がある。おそらくこれは少数派意見じゃないかと思っているのであるが、なぜそう感じたのかが今回あらためてわかった。

この2人、似ているのである。共に理知的で落ち着いている。何より、自分のその後について理解しつつも絶対に生きたいという執着心がない。それ以上に他者の事を深く考えており、自分がいなくなった場合の後の事の方を考えている節すらある。儚くも美しい、美術品のような面を持つふたりだ。

初対面の時も不思議と似た雰囲気を感じたし、作中のふたりもお互いにそういった部分を感じているのではないかというのも思った。アニメ設定ではふたりとも背景が掘り下げられ、とても高潔な血筋である。ここら辺は個人的にはわざと共通させたのではないかと思っている。

ロミオにとっては知り合いのいないミラノに放り込まれ、唯一心を許せる存在であったアルフレドから離れさせられた状態。視聴者からすればロミオが心配になると同時に、「ロミオがこれじゃあ(明らかに危険人物なオッサンに連れていかれたし)アルフレドの方もどうなんだ!?」と心配にさせられる。そんな中、スタッフが送り込んだ使者がアンジェレッタだったわけだ。

ロミオ自身も「アンジェレッタやアルフレドのように字を覚えたい」というように自分が知る知的で頼りになる存在としてふたりの名前を同時に挙げた事もあったし、後の設定の共通も考えると強引に言ってしまえばアンジェレッタは女の子版アルフレドと言えなくもない。ようは、ロミオ視点に立った際の清涼剤となる存在になる一方でアルフレドが気になる視聴者に対する代役の役割も担っていたのではないかというのは邪推だろうか?

アルフレド自体がヒーローにもヒロインにもなれる極稀なキャラクターである。後半は主人公にきわめて近い立場で立ち振る舞い、物語を引率する使命を全うした。それに比べると少ない描写ではあるがアンジェレッタ編におけるアンジェレッタもそれに近かったと言える。

性格も、立場も近い。共に大人びた印象も持ち合わせ、美形という設定。すぐに打ち解ける相性の良さ。身を寄せ合った場合、身内も反対しなさそうな家柄と雰囲気。似た部分が多いからこそ、似合って見えるというか、謎の相乗効果が生まれているわけだ。

…まぁ最も共通しているのは「ロミオを深く信頼し、愛している」という部分だったりするわけだが…(笑)

ちなみに私はTwitterpixivでふたりのカップリング絵みたいなのを描いた事もあったりするが、苦手な方には申し訳ないのではあるがそれはふたりが天国で再会した後。ふたりでロミオを見守っているという前提の設定の絵だったりする。

「もしアンジェレッタもアルフレドも生きていたらふたりは進展していたか?」という質問もいただいたことがあるが、これは非常に難しい。アルフレドは作中の発言からして、ロミオとアンジェレッタが事実上相思相愛であり、自分の知らないふたりの積み重ねの部分も察していた。彼はこれでもかというくらい他者の事を深く思いやるタイプで、しかも親友のロミオに関しての事なのだからもしそういった状況ならアルフレドは間違いなくロミオのために身を引いてふたりを暖かく見守る立場になるであろう事からアルフレドとアンジェレッタが健在のうちに身を寄せ合うという事はないのではないかとどうしても考えてしまう。当然、妹の事をロミオに頼んだりもしないだろう。

尤も、もしロミオがアンジェレッタがいながらもビアンカに惹かれたりしてやがてそっちとうまく…といったパターンになったとしたらアンジェレッタもアルフレドと同様見守るタイプだと思うのでロミオとビアンカのために身を引いて…といったパターンになる可能性もあるが…うーん、ようはロミオ次第としか言いようがないかな…

もし、上のパターンだったら一緒にロミオとビアンカを見守ってるうちに見守るもの同士で…という展開もあるかもしれない(ぶっちゃけイザベラ様もあのマルティーニ家にアルフレド…となると全く文句も言わなさそうだし…)。…って、早速こういった夢設定を色々考えさせられてるところがこの作品とキャラクターたちの凄さと言ったところだろうか…(笑)

 

☆似ている?アンジェレッタとセーラ

余談的な内容になってしまうが、よく似ているとされる2人。アンジェレッタと「小公女セーラ」のセーラだ。なんでこの画像なんだよ

アンジェレッタの普段の服装と髪型だとあまり似ている印象はないが、イザベラ様に会いに行く際の正装と髪型で「あれ?セーラっぽい!」と思った方も多いと思われる。

そして23話でロミオたちと別れてパリへと出発する場面。セーラが最終回にてインドへ旅立つシーンと服装こそ違えどカラーリングが非常に似通っている。こういった事からわざとセーラに似せているのではないか?と思えるのだが、実際のところはわからない。前述した衝撃のコメントを残した楠葉監督、どうせならこっちがどうだったのかをコメントして欲しかった

どちらかというと、セーラにはあまりピンクのイメージはないのであるがオープニング映像でもピンクの衣装を着ていたりするなど要所要所でピンクの服を着たりするので正装系の格好でピンクを纏うアンジェレッタの元ネタとしてやはりセーラの存在はあるのかもしれない。もし外見の設定としてセーラの見た目があったのであればセーラも普段はこじんまりとした部屋で寝起きしているお嬢様としての面も持つ貧乏ヒロインというイメージなので後の展開がもし最初から決まっていたのであれば正装する事も考慮してモデルにしたというのはあったのかもしれない。

何より、原作版ではアンジェレッタには正装を纏う場面はないし纏わなければならない設定はないわけだから…

仮にアンジェレッタが原作通りの設定で、貴族の血を引いているという設定がなかったとしたら…くしゃくしゃの青みがかった髪という事なのでセーラっぽくはならなかったかもしれない。当然、ロミオとの別れも違う事になるはずなのでそういった影響でも見た目の違いはでてくるかもしれません。

ちなみにふたりの性格がどうたったかというと、似ているようで違うというのが個人的な感想。セーラはとことん耐えるタイプで、こたえた顔を見せないように振舞う性格。他人へ自己犠牲の精神まで見せる形で優しさを向け、どちらかといえば積極性よりも受け身の姿勢で気づけば周りが助けてくれる…しかし、同時に数多くの魔手が妨害してくるという一進一退を繰り返す悲しい性。アンジェレッタは耐えるよりも意外と動くタイプで、自分で何とかしようという部分よりも諦めや潔さが目立つ。周りが助けてくれるというのは共通してはいるが、どちらかといえばアンジェレッタの方が人に頼るタイプに見える。

しかし、考えてみれば性格が違うというよりも環境の差といった感じだが…。仮にロッシ家おかみがミンチン院長のような陰湿さをアンジェレッタに向けていたとしたらもっと違った性格になっていたかもしれない。ならば、周りから虐められないセーラとしてキャラクターを組み上げた可能性もなくもないかもしれない。

最後に相当な余談になるが、私がよくネタにさせてもらってる作品で「金田一少年の事件簿」というのがある。この作品、メディアによって細かく声優陣が違っていたりするのだが、事件の中に「悪魔組曲殺人事件」というのがある。この犯人をアニメ版で演じたのがセーラ役の島本須美さんだったのだが、なんとそれ以前に出ていたドラマCD版では同じ役をアンジェレッタ役の川村万梨阿さんが演じている。

もしかしたら探せばこういった、セーラと同じ役をアンジェレッタが違うところでは演じていたという現象があるかもしれない。

 

☆名優・川村万梨阿さん

アルフレドの時のように、アンジェレッタに魂を吹き込んだ名優、川村万梨阿さんについても書いていきたい。

川村さんは私がロボットアニメ好き…特に富野由悠季監督の作品に触れる機会が多かったことからお声を聴くことが非常に多かった役者さんだ。万梨阿は芸名であり(本人が元々名乗っていた名前ではあるが)、その漢字を決めたのは富野監督らしい。

何せ、デビュー作が「聖戦士ダンバイン」のチャム・ファウ役である。

なんと、富野監督から直々にオーディションのオファーがきたんだとか(その以前に富野監督を取材したのがきっかけ。ちなみにそれ以前には「赤毛のアン」の山田栄子さんに取材したこともある)。

当時、川村さんがこのチャム・ファウのコスプレをしていたのには驚いた。元々そういったアニメファンイベントをこなしていた方で声の仕事をしていたわけではないようなのだが、ちゃんとキャラクターを愛して演じているという事であろう。それにしてもお綺麗な方である。どうりで富野監督も何度も起用するわけだな

ちなみに「ダンバイン」の主人公を演じたのはロミ空でリナルドを演じた中原茂さん。「万梨阿ちゃん」「茂ちゃん」と呼び合う仲で、実際に「ダンバイン」のオーディオコメンタリーでもバーン・バニングス黒騎士役の速水奨さんを交えて仲良く話していらっしゃった。ちなみにニー・ギブン役のあたか誠さん(他に有名なお声といえば、超!エキサイティンッ!でお馴染みのバトルドームのCMのボイスのお方)によると収録の際にクッキーを焼いて持ってきたりしていたそうな。ロミ空では中原さんとは久しぶりの再会だったのだろうか(残念ながら絡むシーンはないが…)。まぁリナルドとアンジェレッタが話すシーンとかなかなか想像がつかないが…(笑)

ちなみに川村さんはミスをすると自分の頭(額?)をペンで叩く癖があったそうで、マイクがそれを拾っちゃう現象とかがよく起きたのだとか(笑)。可愛らしい新人時代のエピソードが多いのでこのオーディオコメンタリーはおすすめである。

川村さんは「ダンバイン」「重戦機エルガイム」「機動戦士Zガンダム」と富野作品には連続出演。その時には「おしゃべりで明るい妖精」「ちょっとお上品な妖精」「妖艶な女戦士(しかし恋する)」「強気で大人びた女性」といった様々な役柄を短期間で演じ分けている。その後「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」で演じたクェス・パラヤは大人の女性を演じる機会が多かったところから一転、大人の男性に父性を求める少女役…しかし、強気で不安定といった役柄であった。

ちなみに「逆シャア」は元々は「Zガンダム」にて川村さんが演じたベルトーチカ・イルマがアムロと結ばれた後のヒロインとして出る予定で、アムロと子供を身籠っている設定だったが「ヒーローに子供がいるのはどうなのか」という横やりを喰らって映画版ではベルトーチカとは別れた事になっている…のだが悟空とかどうなるんだよそれじゃ小説版およびドラマCD(というかカセットドラマ)版「ベルトーチカチルドレン」では映画にて廃棄された設定のまま描かれている。ドラマCD版では当然、川村さんがベルトーチカを演じており、映画版にて担当したクェス・パラヤ役は荘真由美さんになっている。ここまでで川村さんは「妻と母」も演じているわけである。それどころか矢尾一樹氏主演の「メガゾーン23」(矢尾さんの前の主役声はあの「つくってあそぼ」のワクワクさんだった)だと濡れ場まで演じている。これに関しては演じる際「これ(過激なのに)やって大丈夫なの!?」と思ったらしく、矢尾氏は「収録の際は白黒(線画)なんだけど、むしろ白黒の方がエロいよね!」と言っていた(「矢尾ちゃんの部屋」川村万梨阿ゲスト回より)。

あと個人的な推しキャラはユング・フロイトという子がいたり…「トップをねらえ!」なんすけどね。って、挙げたらキリがない…そしてロボットアニメ系が多い。

ここまで読んできて勘の鋭い方は何が書きたいか分かった事だろう。そう、ようはアンジェレッタという役柄は川村さんの中ではかなり珍しい役柄なのである。

そもそも川村さんは結構世界名作劇場シリーズ自体に出演してたことが多い方である。「愛の若草物語」のサリー役はどちらかというと、アンジェレッタに近い方の役柄であろうか。

しかしその後の「ピーターパンの冒険」のタイガーリリー、ルナ役。「私のあしながおじさん」のカレン役。「トラップ一家物語」のヘートヴィッヒ役…どれもおとなしくはない感じの強気キャラである。

個人的にはヘートヴィッヒは結構推しキャラである。最初は主人公マリア・クッチャラを敵視していたが、だんだん懐いていく感じ。そうなっても強気なところは変わらず、ツンデレ的要素が強いこと。万梨阿さんが先生を「フロイライン・マリア」、妹を「マリア」と呼ぶところが何となくこそばゆい。

それら5人のキャラクターを経て演じたのがアンジェレッタであった。アンジェレッタについてはこれまで多く語ってきたうえ、わーどまん氏のブログでも様々な視点から考察が書かれている事からもうここで新たに語る事はないのであるが、どちらかといえば高飛車な役が多かった川村さんキャラの中では「聖闘士星矢」のフレアと並んで川村おしとやかキャラの代表格と言っても過言ではない。

おしとやかキャラといえば、やはり「ファイブスター物語」のラキシスも外せない。そもそも川村さんの旦那さんである永野護氏の作品だったりするわけだが、これに関しては永野氏が最初からそのイメージを抱いてデザインしていたのか…そのあたりはどうなのか、情報求む(笑)。ちなみに前述した「矢尾ちゃんの部屋」川村万梨阿ゲスト回ではZoomによるやりとりだった関係か、永野氏も元気に画面に出てくる様子が見れる

少なくともゆうきまさみ氏の「究極超人あ~る」の西園寺まりいなんかは川村さんモデルだったりし、この役で高飛車な役しかこなくなったとコメントしていたりする(ゆうき氏いわく「ノリノリだったじゃん」という事だが)。「あ~る」のインタビュー映像ではキャラクターに合わせてあえてメガネをかけて応え、最後には外しつつ西園寺っぽく振舞うなどファンサービスの塊といえる姿勢を披露した。ちなみに川村さんの得意技は高笑いである。これが10人現れるシーンはまさに恐怖である

「ロミオの青い空」以降の世界名作劇場には残念ながら出演はなかった。数多くの名劇声優を起用した「ポルフィの長い旅」においてもなかったので陰ながら残念に思ってはいたのであるが、もし今後万が一シリーズが復活…ということがあるのであれば是非出演してほしい名優のひとりである。

川村さんといえば歌声も素晴らしいので、可能ならばそちらでの起用もないのかなぁなどと思っていたりもする。前述した永野氏とのある意味での合作「花の詩女ゴティックメード」でも変わらぬ美声を披露していたし(と、いっても私はPVしか観れていなかったりするのだが…た、頼む、地元で再上映してくくれ…それか円盤出してくれ…)。

あと余談だが、実は川村さんがビアンカという名前の役を演じた事もある「ドラゴンクエストV」のCDシアターにてヒロインのビアンカを演じていたのはなんと川村さんである(その後は花澤香菜さんに交代してしまったが…、さらに言えば有村架純が演じた事も)。これも幼女期を経て母親へと成長していく特殊なヒロインだ。本当に多彩な役を演じ分けていらっしゃる。

 

何はともあれ、デビュー時から変わらぬ美声を持ち、「ロミ空」に関してもファンとの交流会に来てくださったこともあるほどのファンサービス精神の持ち主である川村さんの今後の活動に、変わらず御期待と応援を送りたい。

見える…!私にも他の記事が見えるぞ!!